2005年4月26日(火)19:10

シラク大統領とシュレーダー首相はEU憲法支持を訴える

パリ(AFP)

フランスのEU憲法国民投票を1ヶ月後に控えて、ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相(社会民主党)はフランス国民にEU憲法への支持を求めた。「欧州憲法に『賛成』と言ってください」と首相はパリで開かれた独仏首脳会談を終えて語った。フランスのジャック・シラク大統領はEU憲法を「政治的EU」構築の「決定的」段階として称えた。国民投票を5月29日に控え、フランスではEU憲法反対が賛成を上回っている。

「もし私たちがともに世界の決定に参加し、私たち欧州の社会モデルを維持しようと思うなら、統一された強い欧州しかその方策はない。そしてそのためには欧州憲法が必要なのだ」とシュレーダー首相は、パリのソルボンヌ大学で開かれた独仏商工会議所設立50周年記念式典の席で語った。欧州憲法を社会保障制度解体の危険と同一視するのは「まったくの誤り」である。EUの社会観の中心は人間である、と首相はフランスの批判の声を踏まえて語った。フランスでは自由経済に傾き過ぎているとしてEU憲法を拒否する人々が多い。

シュレーダー首相は、ドイツ連邦議会がEU憲法を5月12日に圧倒的多数で承認するのは確実との見方を示した。EU憲法が加盟全25ヶ国で発効するためには、全加盟国の批准が必要とされる。ドイツは5月12日に連邦議会で、5月27日に連邦参議院で批准を行う予定である。

EU憲法により「一層社会的で独立した強力な欧州」が生まれるとシラク大統領はエリゼ宮で語った。憲法に反対する者は50年間の欧州統合の歩みを中断させるという責任を負うことになる、と大統領は警告した。それによりフランスは弱体化し、多くのフランス人が恐れる「超自由主義的な発展」への道が開かれる。フランスが否決しても他のEU加盟国で批准手続きは進む。そうなればフランスは「ホームに立ったまま、列車が通り過ぎるのを見守る」ことになろう、と大統領は語った。シュレーダー首相は、批准は決して逃してはならない「歴史的機会」であると訴えた。

パリの『フィガロ』紙火曜版に掲載された世論調査によれば、現在フランス国民の52パーセントがEU憲法に反対すると答えている。しかしこの調査によれば、賛成と反対の差は明らかに縮まっているという。

原題:Chirac und Schroeder werben fuer EU-Verfassung




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